説明
京都紋付×The Storyteller
Swedish Army M-59 Jacket
―京都紋付(きょうともんつき)―
世界最高水準の”黒を極めた黒”。
京都にて黒を極めることに100年以上もの時間を費やしてきた京都紋付(きょうともんつき)。染め職人の熟練の技と長年の経験が生み出す独自の勘をもとに、染料の温度を微妙に変化させながら、数十回にもわたって生地を上下させて染めを繰り返し、究極の黒を完成させています。
京都紋付は、文字通り紋付という独特な着物の世界に歴史を刻んできました。その意味において、和の黒の第一人者であることを永遠の使命にしています。それは同時に京都紋付染めという伝統産業を未来に継承していくこと。京都紋付の心の底辺にある”和”に還る精神は永遠のテーマであり、昔ながらの技術と現代との融合を考え、未来に”和”を継承していきます。
そんな歴史ある”黒”の技術者たちに依頼をし、今回はTheStorytellerのビンテージアイテムに加工を施しました。
【寸法】
①肩幅:44cm
②身幅:54cm
③裾幅:58cm
④着丈:70cm
⑤アームホール:21cm
⑥袖丈:54cm
Size/M相当
Color/Black
加工前はオリーブカラーで、下の写真が加工後のものです。
スウェーデン陸軍で採用されていたフィールドジャケット”M-59”。1959年の正式採用から80年代後半まで製造されていました。
光沢とハリのある高密度な生地と、現代ファッションではほどんど見かけないディテールが特徴的なミリタリージャケットです。
加工後の写真だと見えづらいので、加工前の写真で説明していきます。
一目見て、そして着て、一番はじめに思うことはシルエットに関して。
フィールドジャケットとは思えないほどに洗練された美しいシルエットは、ウエストダーツにより生まれたシェイプによるもの。そこに深黒(しんこく)加工を施したので、モードな雰囲気も兼ね備えたミリタリージャケットです。
ポケットは前後合わせて4ポケット。バックポケットは500mlのペットボトルが収まるほど広くとられており、ボタンが外に出ないフラップボタン仕様の効果なのか、見た目にボリュームを感じない無駄のないシンプルなバックスタイルにみえます。
バックスタイルとは打って変わって、フロントにはボリュームのあるボタンがつけられています。そのボタンにはスウェーデンの国章でも描かれている3つの王冠(スリークラウン)のマーク。実際の国章ではブルーとイエローで描かれており、スウェーデンの国旗カラーと同じ配色です。
二丁拳銃マークの襟章は物によってはない場合があります。あっても黒になったことでほとんど見えませんが・・・。
前立ての裾側の写真です。スリークラウンボタンとは別で内側に2つのボタンがあります。留めるとバックポケットのように内側にボタンが隠れる仕組みです。しかもボタン位置がかなり低くつけられています。
理由は下の写真をご覧ください。(写真だと少し伝わりづらいですが)
写真は後身頃の裏の裾側です。タブパーツが収納されており、それを広げると
こうなります。そしてタブの先端をアップすると、
ボタンホールが二つ。それをフロント側に股を通して、
フロント裾のボタンに装着。すべてボタンを留めると、
完成です。下に穿いているパンツと固定され、激しく動いた際にも裾が自由に遊ばなくなります。(ツナギを着たときの感覚になります)
つまり、このタブを接合するために低いポジションに、しかも表には出ない箇所にボタンがついていたのだと思われます。
(わかりにくい写真と文章で申し分けございません・・・ここまでお付き合いくださった方、誠にありがとうございます。)
WWⅡ時期にイギリス軍のパラシュート部隊が着用していたジャケットにもこれに近いディテールがあります。
このように面白い仕様が満載です。
古着を裏に返して着用する方を街で見かけます。所説ありますが、某ブランドがフランスの高い縫製技術表現するため、あるミリタリーパンツを裏に返してランウェイを歩かせたとか、ビンテージのバーバリーコートなども、裏地のノバチェックを表にみせるよう裏返して着用するなど。その影響もあるのかと思います。
個人的ではありますが、その中にM-59もおすすめしたいです。
人それぞれだとは思いますが、このテイストで着ても面白いかと。
以下、加工後の写真です。
第4ボタンと第5ボタンの間に修復した跡がありますが、着用に問題はありません。
歴史あるアイテムと歴史ある染め技術により、ただならぬ佇まいとなりました。
ここからの経年変化も楽しみな一着です。
購入方法は「SHOP GUIDE」をご覧ください。
気になる方はこの機会に是非。
※あくまで古着ですので、ご理解の上ご購入ください。